英国研修事業UK Study Tour Program

特定非営利活動法人「知多から世界へ」が実施する英国研修事業は、知多地域の中学生を対象とした国際教育プログラムです。中部国際空港開港を契機に、「地域から世界へ羽ばたく若者を育てる」ことを目的として構想され、2015年にスタートしました。以降、毎年選抜された生徒たちが、英国イングランド西部の歴史ある街・シュルーズベリーにある語学教育機関「セヴァンヴェイル・アカデミー(Severnvale Academy)」において、2週間、語学研修と文化体験を行っています。

本事業の特徴は、単なる短期留学ではなく、事前・現地・事後の三段階で構成された体系的な国際教育プログラムである点にあります。渡航前には、英国の文化や歴史、国際社会の課題を学ぶ事前研修が複数回行われ、SDGsカードゲームや国際交流講話などを通じて、世界を多角的に捉える力を養います。現地では、語学授業に加え、ホームステイや寮生活、地元高校生との交流、ロンドンの日本大使館を訪問して、大使館員との交流ほか、博物館・歴史遺産の訪問など、異文化に直接触れる体験が組み込まれています。これらの活動を通じて、参加者は「英語で伝える」力と「異文化を理解する姿勢」を実践的に身につけます。

また、研修を支えるのは、地域の教育関係者や企業、行政機関の協力体制です。愛知県教育委員会や中部空港関連団体の後援を受け、地域全体で次世代の国際人育成を支えています。資金面では、寄附や助成金によるサポートのもと、できる限り多くの中学生が平等に学びの機会を得られるよう工夫されています。

研修後のアンケートでは、「英語への自信がついた」「積極的に話しかけられるようになった」「海外や社会問題に関心を持つようになった」など、言語力のみならず、人格的な成長を実感する声が多数寄せられています。保護者からも「自立心が育った」「世界を見る視点が広がった」と高い評価を受けています。

この英国研修事業は、単なる語学研修ではなく、地域の子どもたちが自らの可能性を広げ、世界を舞台に生きる力を培うための”国際教育の実践モデル”として継続されています。知多半島から世界へ――地域の未来を担う若者たちの挑戦が、今も静かに広がり続けています。

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